花葬儀を選んだ理由
「何をすればいいのか――」。途方に暮れていた私たちを導いてくれました。
花葬儀社を探し出したのは、義父が病院で亡くなり、死亡確認をしてからでした。事前に準備をしておければよかったのかもしれませんが、夫も私も、どうしてもそうした気持ちになれなかったのです。長男である夫が喪主を務めることになったものの、私たち夫婦は葬儀を取り仕切った経験がなく、振り返れば、ずいぶん慌てていたと思います。
とりあえず私が、インターネットで、自宅からあまり遠くない葬儀社を調べたところ、目に留まったのが花葬儀さんの華やかな祭壇の写真でした。いわゆる「白と黒」「菊の花」のイメージの葬儀にはしたくないとの思いがあり、口コミを読むと評判も高く、夫に相談すると「いいね」と言ってくれました。
病院の方からは、言葉ではっきり告げられたわけではありませんが、暗に「速やかに対応してください」と示され、電話で問い合わせをしたのは花葬儀さんだけでした。とても、他社に電話をして比較しようという発想を持てる余裕などなかったのです。事前の準備なく、急いで葬儀社を決めたばかりに悔いの残る葬儀になってしまう例もたくさんあると言われますが、その点、私たちは幸運でした。
花葬儀さんに電話をして、まず申し上げたのは「何をどうしていいのか、何もわかりません」です。このような迷える夫婦を前にして、花葬儀さんの対応は見事でした。「大丈夫ですよ。安心してください」と声をかけてくださったのです。そのおかげで少し落ち着きを取り戻すことができた私が「一度、父を自宅に連れて戻りたい」と話すと「すぐに病院に迎えにまいります。もちろんご自宅での安置もお任せください」とおっしゃり、言葉通りにすぐに対応してくださいました。さらにプランナーの方が飛んできて、葬儀の段取りを順序立ててわかりやすく説明し、右も左もわからない状況から私たちを救い出してくれたのです。本当に文句のつけようがなく、感謝の気持ちでいっぱいです。花葬儀さんを選んだのは、必然でした。
花葬儀を体験して良かったこと
最後の花入れで父が花に埋もれる様が美しく、自然と家族が笑顔になりました。
私には、心残りがありました。義父が亡くなる前に、一度でいいから自宅ですごさせてあげたかった――。そんな後悔を口にすると、プランナーさんが、「せっかくご自宅に戻ってこられるのですから、湯かんをしてはどうでしょう」と提案してくださいました。簡易のお風呂のようなもので体をきれいに洗えることを知った私は、ぜひに、とお願いをしました。幸い、自宅で安置する期間が長かったものですから、時間的にも余裕を持って湯かんができ、父も最後に自宅でゆっくりとする時間を持てたのではないかと、少し気持ちが楽になったことを記憶しています。
実際の花祭壇は、私たちがリクエストしたとおり、黄色やオレンジ色、ピンク色の花がたくさん使われており、「これが、お葬式?」と思うような空間がつくり出されていました。その他にも「お花を贈りたいという方には、供花を祭壇の花に代えていただけるようお願いすると、花のボリュームが増えますよ」とアドバイスをいただき、そのように手配してもらった結果、まさに圧巻の花祭壇となりました。
最後に家族全員で、その花を棺に入れたのですが、あまりにも花が多かったので、棺の中の父が花に埋もれて、それは美しく――。
孫たちが「花が、すごいね――」と言って、不謹慎だったかもしれませんが、家族みんなが自然と笑顔になったのです。
なんとも言えないあたたかな雰囲気の中で、最後の見送りができました。
お義父はどんな方でしたか?
孫たちを可愛がり、孫が小さいころは一緒に朝顔を育てていました。
父は、自分の子どもたちには厳しい人でしたが、孫たちには終始笑顔で可愛がっていました。孫が小さいころには一緒に朝顔を育て、初秋には何粒の種ができたか数えていたことが懐かしく思い出されます。
プランナーさんに、そんなエピソードを話すと、「では、お孫さんたちも含めて、ご家族に葬儀を手伝ってもらいましょう」と、写真や手紙を飾ることを提案してもらいました。
そこで、孫たちが中心になってコルクボードを用意し、父の思い出の写真をシルエットに合わせてカットして貼ったり、家族の父へのメッセージを貼ったりして、祭壇の横に飾りました。フラワーデザイナーさんには、そのボードの横に朝顔の鉢を置くといった粋な演出をしていただきました。
寡黙だけれども、お酒を飲むととたんに冗舌に。
普段は寡黙で、ほとんどおしゃべりをしなかったのですが、日本酒が大好きで、お酒が入るととたんに冗舌になりました。孫たちには将来を案じてか、「しっかり、学校に行きなさい」などと言っていましたね。
お酒を飲んだときに私に言う口癖は「頼むね」で、今、思い起こせば、「家のことを頼む」という意味だったのでしょう。家長として、子どもたちや孫たちのことをいつも気づかっていた父でした。
オートバイ、スイミング、旅行など、とてもアクティブな面もありました。
確かに寡黙ではあったのですが、アクティブな面も持ち合わせており、40歳代にはオートバイの免許をとって、定年後には宅建の資格を取得、不動産業を始めて自分の事務所を構え、オートバイで通勤していました。
かつて勤めていた会社をリタイアした方々でつくられたレクリエーションの会にも参加して、集まりや旅行などを楽しんでいました。いつの間にか、スイミングスクールに通い始めたこともありましたね。バタフライを泳げるようになったと嬉しそうに話してくれたときには、驚きました。
70歳を過ぎてからは、1年に一度、母と箱根旅行に行くのが恒例でした。そうした父でもあったので、明るく元気な色の花にあふれた葬儀にしたかったのです。
こんなご葬儀でした
お式への要望
黄色、オレンジ、ピンク――明るい色の花でいっぱいに。
〇明るく元気の出るような色の花の祭壇にしてほしい。
〇やっと帰れたご自宅で、ご家族に囲まれてもう一度、お風呂へ。
〇家族全員のお父様への感謝や愛情が、表現される葬儀に。
実際のご葬儀
〇通夜後には末期の水形式で、大好きだった日本酒をご家族の手で飲ませていただきました。
〇ご家族が用意したコルクボードには、たくさんのお写真やメッセージが貼ってあり、お父様への愛情が詰まっていました。
〇たくさんの花を飾り、照明装置でさらに華やかさを演出。また、棺の高さ設定にも工夫を凝らしたため、花がしっかり詰まった空間になりました。
葬儀を終えての感想はいかがですか?
葬儀後もお位牌や法要の準備など、やることは山のよう。
でも、花葬儀さんは、葬儀後も頼れる味方で助かっています。
葬儀に参列してくださった皆さん全員が、「いい葬儀だったね」と言ってくださったのが、やはり、いちばん嬉しかったですね。お花のボリュームもさることながら、家族がつくった写真や手紙のボードも「すごくよかった」と、たいへん好評でした。私としては、とにかく寒々とした葬儀にはしたくなかった…。嫁の立場で父にできる最後の孝行として、花いっぱいの「豪華な葬儀」にしてあげたかったのです。その願いが見事にかなって、父に言われていた「頼むね」という言葉にも、少しは応えることができたのではないかとホッとしています。
葬儀後に困ったのは、お位牌でした。葬儀もわからなければ、お位牌をどうすればよいかもわからなかったのです。そこで、花葬儀さんに相談すると、「宗派によってお位牌も違うので、真言宗に合ったお位牌をおつくりしましょうか」と言っていただけました。すぐに、お位牌の依頼をしたのですが、お仏壇にはすでにいくつかのお位牌があったため、仏壇に並びきらなくなるのではないかとの疑問が湧きました。花葬儀さんに再度、相談すると、お寺で供養をして、お位牌をまとめるのも可能だとのこと。今後の参考になりました。
一周忌の準備も視野に入っていたのですが、法要の際に僧侶の方へお渡しするお布施の金額に迷ってしまって――。もちろん、すぐに花葬儀さんに連絡をしました(笑)。菩提寺について調べた上で、一周忌に加えて三回忌におけるお布施の相場についてもレクチャーいただき、本当に助かりました。葬儀を終えても、その後にやらなければならないことが待っています。葬儀後も花葬儀さんは、強い味方になってくれました。
エピソードとお写真、映像は、ご家族様のご許可をいただいて掲載しております。