一日葬の参列マナーは?服装・お香典・食事を解説
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- 【 葬儀・葬式のマナー 】
「一日葬」は比較的新しい葬儀の形式であるため、一日葬に参列することになった場合、どのようなマナーがあるのか悩む人は多いのではないでしょうか。
今回は、一日葬に参列する際のマナーについて解説します。これを読めば、一日葬の概要や参列するときの服装、お香典などのマナーがわかります。どうぞ最後までお読みください。
1.一日葬とは?
一日葬とは、通夜を省略し、葬儀・告別式から火葬までを1日で行うお葬式のことを指します。一般的なお葬式の場合は1日目に通夜、2日目に葬儀・告別式と火葬というスケジュールですので、「通夜を行わない」というのが一日葬の最大の特徴といえるでしょう。
一日葬は、しばしば家族葬と同じく、お身内だけでのお見送りになることがあります。しかし、ご親族以外に故人様の友人・知人など幅広い方が参列する場合でも、通夜を行わずに1日で終了するのであれば一日葬と呼ばれます。
2.一日葬の流れは?
一日葬の一般的な流れを、以下にご紹介します。
順番・内容 | 詳細 |
---|---|
1.納棺 |
・故人様が安置されている場所(自宅や斎場内の施設)にて、故人様を棺に納める。
・「納棺の儀」を行い、故人様が大切にしていたものを棺に入れたり、ラストメイクなどを行ったりする場合もある。 ・納棺後、葬儀社によって棺が葬儀会場まで搬送される。 |
2.葬儀・告別式 |
・仏教葬の場合、以下の順番で進行するのが通例。
①僧侶の入場・開式の挨拶 ②僧侶による読経 ③弔辞読み上げ ④弔電読み上げ ⑤お焼香 ⑥僧侶の退場・閉式の挨拶 ・お焼香のあとに初七日法要を繰り上げて行うこともある。 |
3.出棺 |
・棺を霊柩車に乗せ、火葬場へ出発。
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4.火葬 |
・火葬場にて、火葬を行う。
・火葬後はご遺族が遺骨を骨壺に納める。 |
5.精進落とし |
・喪主様が、参列者へ労いのために食事を振る舞う。
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このように、一日葬は通夜を行わないだけで、一般的なお葬式と流れは同じです。一日葬についてさらに詳しく知りたい方は、「一日葬とは」の記事もあわせてご覧ください。
3.一日葬に参列するときの服装のマナーは?
一日葬であっても、通夜を行う葬儀であっても、参列側の服装マナーは同じです。礼節を欠くような服装にならないよう、マナーはきちんと守りましょう。
ここでは、一般葬に参列する際の服装のマナーを、男女別にご紹介します。
男性の場合
男性が参列する場合、「準喪服」と呼ばれる葬儀用のブラックスーツを着用するのが基本です。喪主様から「平服でお越しください」というご案内があった場合は、略礼服(略喪服)として、黒や濃紺などのスーツを着ます。ジャケットの下には長袖の白い無地のワイシャツを着用し、無地で光沢のない、黒いネクタイを締めます。
足元は、無地の黒色の靴下と、光沢・金具のない黒色の革靴を履きましょう。正しいアイテムを身に着けることだけではなく、それぞれのサイズ感がきちんと合っているか、汚れていないかにも気を配ります。
冬の寒い時期であれば、黒色もしくは紺や濃いグレーで、落ち着いたデザインのコートを羽織ってもよいでしょう。(葬儀会場に着いたら必ず脱ぎます)
女性の場合
男性の場合と同様に、準喪服に分類される黒無地のワンピースやパンツスーツなどを着用するのが基本です。ワンピースは膝丈とし、ボレロやジャケットを羽織ります。ストッキングは地肌の色が透けて見える程度の黒色とし、靴は光沢や金具のない黒いパンプスを履きます。
女性の場合、服装だけではなく、身に着けるものやメイクにも注意が必要です。アクセサリーはシンプルなデザインの真珠のネックレスとイヤリング、結婚指輪のみとし、化粧や髪型は華美にならないように控えめを心がけます。
寒い時期であれば、先ほどご紹介したような黒色のシンプルなデザインのコートを羽織ってもよいでしょう。
4.一日葬に参列するときのお香典のマナーは?
通夜を省略し、1日で葬儀・告別式から火葬までを行う一日葬に参列する場合、お香典は用意するべきなのでしょうか?
ここでは、一日葬に参列するときのお香典のマナーについて詳しく解説します。
一日葬でもお香典は必要
他の葬儀形式の場合と同じように、一日葬に参列する場合はお香典を持参するのがマナーです。お香典として現金を包むことには、以下のような意味合いがあります。
・ご霊前に供えることでお悔やみの気持ちを表す
・ご遺族の金銭的負担を軽くする
一日葬は通夜を省略して行いますが、その本質は他の葬儀と同じですから、お香典は必ず用意しましょう。
一日葬のお香典の相場
一日葬に持参するお香典の相場は、他の葬儀と同じように「故人様との関係性」を基準に考えます。故人様との関係性が近い人ほど、多く包むのが一般的です。
亡くなった人 | お香典の金額 |
---|---|
親、義両親 | 3万円~10万円 |
兄弟姉妹 | 3万円~5万円 |
祖父母・孫 | 1万円~5万円 |
親戚 | 5千円~3万円 |
友人または仕事関係先 | 5千円~1万円 |
お香典を用意する際には金額や数字に気をつけましょう。
お香典を包む際には、金額の頭(万の位、千の位)の数字が偶数にならないように注意します。割り切れる偶数は「故人様とのつながりを切る」ことを連想させてしまう可能性があるためです。たとえば2万円を包みたい場合には、「1万円札1枚、5千円札2枚の奇数枚にするなら差し支えない」といった考え方もあるようです。
4や9といった数字も、「死」や「苦」とのつながりを気にされる方に配慮し、避けるとよいでしょう。
一日葬のお香典を渡すタイミング
一日葬でお香典を渡すタイミングは、一般の葬儀と同じです。葬儀会場に到着したら、入口に設けられている受付で記帳をしたあとに、お香典を受付係に渡します。
受付が設けられていない葬儀会場では、お香典は喪主様に直接渡すことになります。喪主様は葬儀の進行で忙しくしているため、邪魔にならないタイミングを見計らってお香典を渡しましょう。お香典を渡す際は、長話をして喪主様の負担にならないよう手短にお悔やみの言葉を伝えます。
一日葬でお香典を辞退された場合の対応
一日葬の案内状の中に「お香典を辞退する旨」が記載されていることがあります。喪主側が参列者からのお香典やお供えなどを辞退する理由はさまざまですが、「お香典のお返し(香典返し)の段取りが負担になるから」といった、喪主側の事情によるケースも多いようです。
喪主側からお香典を辞退する案内を受けたあとに、ご親族以外の参列者がお香典を持参するのはマナー違反とされています。しかし参列者がご遺族のご親族である場合は、お香典を辞退する旨が書かれていても、多くの場合は持参します。
なお、当日の受付でお香典辞退を案内されることもあります。受付でお香典辞退の旨を伝えられたら、お香典は持ち帰りましょう。
5.一日葬に参列したときの食事のマナーは?
通夜を行う一般的な葬儀では、喪主側が参列者に対して食事を振る舞う「通夜振る舞い」や「精進落とし」があります。一日葬では通夜がないため、通夜振る舞いはありませんが、精進落としを火葬中、もしくは火葬後に行います。
精進落としは、もともと「仏事や神事のために控えていた事柄を元に戻すこと」を指しましたが、現代では「僧侶や参列者へのおもてなし」の意味合いが強くなっています。食事をしながら故人様の思い出を語りしのぶことが、故人様を供養することにつながるとも考えられているため、精進落としの案内を受けた参列者は、可能な限り参加するのがマナーです。
やむを得ない事情で精進落としに最後まで参加できない場合は、事情を伝えたうえで退席しましょう。
6.一日葬に参列できないときのマナーは?
一日葬は昼間に行われるケースが多く、スケジュールの都合で参列ができないこともあります。またご家族のみで一日葬を執り行うこともあり、参列が叶わない場合もあるでしょう。
しかし、参列できないからといって、弔意を表す機会を失うわけではありません。ここでは、一日葬に参列できないときのマナーや対応方法についてご紹介します。
弔電を送る
一日葬においては多くの場合、受け取った弔電を読み上げる時間があります。したがって、一日葬に参列できない人も弔電を送り、ご遺族へ弔意を伝えることが可能です。
弔電は喪主様やご遺族に対して弔意を示すものであるため、故人様ではなく喪主様宛に送ります。喪主様のフルネームがわからないような場合には「〇〇家ご遺族様」のように宛名を書くことも可能です。送付先は喪主様のご自宅ではなく、葬儀会場とします。葬儀前までに届くよう、タイミングにも配慮しましょう。
供花を送る
故人様をしのびご遺族へのお悔やみを伝えるために、供花を送るのもひとつの方法です。ただし供花を送るのは、喪主様が供花やお香典などを辞退していないことが前提です。
葬儀会場によっては供花の注文先が指定されていることがあるため、供花を手配する前に会場に確認しておきましょう。供花の送り先は葬儀会場とし、宛名は喪主様にします。
お香典を送る
喪主様がお香典の辞退をしていない場合は、直接もしくは郵送にて、お香典を葬儀後に渡すことも可能です。お香典を郵送する方法は、以下のとおりです。
・お香典は香典袋(不祝儀袋)に入れ、必ず現金書留を利用する
・送り先は喪主様のご自宅で、宛名は喪主様とする
・お香典が葬儀当日に到着するのは避ける(葬儀から2~3日後に到着するのがベスト)
お香典を入れる香典袋には、手紙も添えましょう。文面にはお悔やみの気持ちのほか、葬儀に参列できなかったことのお詫びや、ご遺族の健康を気遣う言葉を入れます。
7.一日葬も一般的なお葬式も守るべきマナーは同じ
「一日葬」は通夜を省略し、葬儀・告別式から火葬までを1日で行う新しい形式の葬儀です。一日葬に参列する場合のマナーは、通夜を省略しない一般的なお葬式に参列する場合とほとんど同じとなります。
やむをえない事情などで一日葬への参列ができなかった場合は、弔電や供花、お香典を郵送するなどの対応で故人様への哀悼の意とご遺族へのお悔やみを伝えます。喪主様やご遺族の心情を尊重しつつ、マナーを大切にして思いを伝えましょう。
今回、一日葬の参列マナーについてご紹介した花葬儀は、一日葬のほかにも家族葬、一般葬、自宅葬、社葬、火葬式など、さまざまな葬儀のプランをご用意しております。ご相談は電話などで24時間365日受け付けておりますので、どうぞお気軽にご連絡ください。