家族葬にはどこまでの範囲を呼ぶ?親戚・会社の人の範囲は?参列者を決める基準を解説

家族葬にはどこまでの範囲を呼ぶ?親戚・会社の人の範囲は?参列者を決める基準を解説

最近、「家族葬」という葬儀の名前が、よく聞かれるようになりました。しかし、比較的新しい葬儀形式であるため、「参列者には、どこまでの範囲を呼ぶの?」「呼ばない人への連絡はどうする?」など、いろいろと疑問に思われている方も多いことでしょう。

そこで今回は、家族葬に招く範囲の考え方や連絡方法、呼ばない方への対応の仕方について詳しく解説します。家族葬に参列する際のお香典やマナーもご紹介しますので、家族葬を考えている方、家族葬に参加すべきか迷っている方などは、ぜひ、この記事を参考になさってください。

1.家族葬とは何か?特徴・定義を解説

そもそも「家族葬」とは、どのような葬儀なのでしょうか。特徴や定義、家族葬の最近の傾向もあわせて解説します。

家族葬に明確な定義は無い

家族葬に明確な定義はありません。実は、家族葬、一般葬などの葬儀の名前は俗称であり、さだまった解釈は無いのです。家族葬と一般葬との違いをあえて挙げるなら、参列者を制限し比較的身内で行うが家族葬、参列者を制限しないのが一般葬だといえます。

一般的に、家族葬はご家族中心の比較的小規模な葬儀だと認識されていますが、そうとも限りません。家族葬には、故人様と縁の深かった友人・知人を招いてもよく、たとえば参列者が100人ほどになる場合もあります。喪主様が故人様に近しい人だけを葬儀に招いて「家族葬」だとおっしゃれば、その葬儀は「家族葬」になるわけです。

ただし、葬儀社によっては「参列者が○人から○人までが家族葬プラン」「それ以上の参列者の場合は一般葬プラン」など、独自に名称を定めているケースもあるようです。

近年、家族葬は葬儀形式の主流に台頭

家族葬は近年、葬儀形式の主流になりつつあります。株式会社鎌倉新書が2024年に行った全国調査の「行った葬儀の種類」では、過半数の方が家族葬を選んでいるとの結果も出ています。

近年、家族葬は葬儀形式の主流に台頭

出典:株式会社鎌倉新書(いい葬儀)より「第6回お葬式に関する全国調査(2024年)」
調査対象:2022年3月~2024年3月に喪主(または喪主に準ずる立場)を経験したことのある、日本全国の40歳以上の男女
https://www.e-sogi.com/guide/55135/

家族葬が増加した理由

家族葬が増加した主な背景には、以下のようなものが挙げられます。

経済的な理由

従来の一般葬にくらべて、家族葬は参列者を限定できるため、規模が小さくなる傾向があります。その分、費用を抑えやすく、経済的な負担を軽減しやすいでしょう。

価値観の変化

現代では、社交辞令的に大勢に参列いただくよりも、ご家族や親しい友人などだけで故人様を静かに見送りたいという希望が増えています。家族葬であれば、親しい参列者だけで、故人様との最後の時間をゆっくりすごすことができます。

新型コロナウイルスの影響

コロナ禍以前は、一般葬のほうが家族葬よりも多い傾向にありました。しかし、感染拡大防止の観点から大規模な集まりを避けるため、家族葬が選ばれるケースが増え、主流となりました。新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行して以降は、一般葬の割合も回復基調にありますが、現在でも家族葬が主流であることに変わりは無いようです。

2.家族葬の参列者の範囲はどこまで?会社の人は呼ばない?

家族葬の参列者の範囲はどこまで?会社の人は呼ばない?

前述のとおり、家族葬に明確な定義はないため、参列者の範囲にも明確なルールはありません。会社の方であっても故人様と特別に親しかった場合は、家族葬に呼ぶことがあります。

家族葬の参列者を「故人様から見て2親等以内の方」と説明する葬儀社もありますが、それ以外のご親族や会社・仕事関係の方々を呼んでもかまいません。実際、弊社「花葬儀」では、故人様と親しかった社員の方々に参列いただいて家族葬を行うこともしばしばあります。

3.家族葬に招く範囲をどこまでにするか、決める基準は?

家族葬に招く範囲は、喪主様の意向によります。家族葬は、故人様と親しい方々に参列いただくものですが、どこまでを「親しい」とするかは、各ご家族で基準が異なるからです。たとえば、故人様が長年会っていないご親戚よりも、日常的に交流があった方を優先する場合もあります。

招待する人数は会場のキャパシティや予算にも影響するため、喪主様はそれらも考慮して家族葬に招く範囲を決めることになります。地域によっては広くご親戚を招くことが一般的な場合もあるため、喪主様はさまざまな基準を総合的に判断して決めることになります。

4.家族葬の訃報・葬儀の連絡はどこまでの方にする?

家族葬では、訃報や葬儀について、誰にどこまでを伝えるかは、ご遺族の判断に委ねられています。参列者を限定する形式ですので、連絡する内容も相手によって変えることができます。たとえば、「この人には亡くなったことのみ伝える」「この人には葬儀の詳細まで伝える」など、事前にしっかりと決めておくことが大切です。

5.家族葬に参列してほしい方へ連絡する方法・タイミング

家族葬に参列してほしい方へ連絡する方法・タイミング

家族葬に参列してほしい方が決まったら、いつ、どのような方法で連絡すればよいのでしょうか。

参列してほしい旨は電話で連絡することがほとんど

葬儀に参列してほしい方には、葬儀の日程が決まり次第、できるだけ早めに電話で連絡をします。葬儀までの時間が限られていることが多いため、すぐに伝えられる電話で連絡することがほとんどです。

連絡する際は、「家族葬で行うため、葬儀のことは内密にお願いします」と添えます。これは、葬儀に招かなかい方に配慮するためです。電話連絡であれば、意図をしっかり伝えることができます。

メール・メッセージアプリを活用することも

連絡手段として、メールやメッセージアプリを活用する人も増えています。これらは、迅速かつ簡便に情報を伝えられるので、多忙な方々に対して有効な伝達ツールです。

ただしカジュアルな印象があるため、直接の電話連絡なしに突然メールで葬儀案内を送るのではなく、電話連絡と併用して葬儀会場の地図を送るなど、補助的に使うとよいでしょう。

6.家族葬の通夜の参列範囲はどこまでか

家族葬の通夜の参列範囲についても、基本的には葬儀のときと同様、喪主様の意向が基準となります。

家族葬では、葬儀の参列者を制限するとご説明しましたが、通夜の参列者を絞らないケースもあります。従来、通夜は宗教的儀式(仏教の場合、読経やお焼香など)がメインでしたが、近年は形式が非常に多様化しています。

たとえば、弊社「花葬儀」で行う家族葬の通夜では、以下のようなスタイルが見られます。

  • ・葬儀は少人数で行うが、通夜には多くの方に参列してもらう
  • ・参列者にお焼香や献花だけを行っていただく
  • ・お焼香も読経も行わない無宗教スタイルで行う

ご遺族でどのような通夜にしたいかを話し合い、そのスタイルに合わせて参列者の範囲を判断するとよいでしょう。

7.家族葬に呼ばない方への対応

家族葬に呼ばない方への対応

家族葬に参列いただきたい方への連絡方法をご紹介しましたが、呼ばない方へはどう対応すればよいのでしょうか。

家族葬に呼ばない場合の連絡方法

家族葬に呼ばない方へ訃報・葬儀について伝えるには、葬儀前、または葬儀後に連絡する方法の2つがあります。それぞれの詳細を説明します。

葬儀前に訃報とともに「葬儀は小さく行う」旨を連絡

葬儀前に連絡する場合は、訃報とともに「家族葬であり、小規模で行うため参列を控えていただきたい」旨を慎重に伝えます。「故人様の希望」「ご家族の意向」「会場の都合」などの理由を丁寧に説明し、参列いただけないことへの理解を求めましょう。

特に、近隣にお住まいの方や最近まで交流があった方へは、葬儀前に連絡するようにします。「家族葬に参列いただかない方への訃報連絡は葬儀後でよい」との意見もありますが、「事前に教えて欲しかった」という声も多いため、参列いただかない方にも、できるだけ訃報を伝えることをおすすめします。

電話で直接伝えると、より早く丁寧に伝えることが可能です。具体的な電話での伝え方は、「家族葬はどこまでかに関するQ&A」でご紹介します。

葬儀を終えてから報告する

遠方にお住まいの方や疎遠になっている方などには、葬儀を終えてから報告する場合もあります。報告方法としては、電話や挨拶状の郵送などがあります。特に電話は直接話せるため、誤解を避けやすく適しています。

報告の際は、逝去した日や、すでに葬儀を終えたこと、家族葬にしたため事後報告になったことへのお詫び、そして生前の感謝の気持ちなどを伝えましょう。

家族葬に呼ばない場合に注意すること

家族葬を選択する場合には、参列されない方々との関係が悪くならないよう配慮が必要です。そのための注意点を解説します。

通夜や弔問・お香典は辞退するか否かも決めておく

「家族葬に呼ばない」といっても、以下のようにいくつもの捉え方があります。

  • ・葬儀への参列だけを断る
  • ・通夜の参列、葬儀の参列の両方を辞退する
  • ・通夜から葬儀後の弔問まですべて断るなど

また、お香典や供花も辞退するのかといった細かい点まで含めると、さらにパターンは増えます。家族葬に呼ばない方へは、通夜への参列や弔問、お香典も辞退するのか否かなどについても事前に決め、相手が混乱しないように詳細をしっかり伝えることが重要です。

情報が広がらないようお願いする

家族葬に参列してほしい方に連絡するときと同様に、葬儀に呼ばない方へも訃報や葬儀に関する情報が広がらないようにお願いをします。ご遺族が連絡をする前に、葬儀に呼ばなかったほかの方が別のルートで知ってしまうと不快に思うかもしれません。くれぐれも他言無用であることを伝えましょう。

連絡を怠らず誠実な対応を心がける

故人様と少しでも交流のあった方には、電話、書面など、どのような方法でもかまいませんので、誠実にしっかりと連絡することが重要です。故人様と近しくない方であったとしても、訃報を知らされなかったことに不満を抱く方がいるかもしれません。家族葬であることや、生前お世話になった感謝の気持ちをしっかりと伝えましょう。

8.【参列者】家族葬でお香典を出す範囲はどこまでか

【参列者】家族葬でお香典を出す範囲はどこまでか

ここまでは、主に家族葬を行うご遺族へ対してお伝えしてきました。ここからは、家族葬に参列する方に向けて、家族葬におけるマナーを説明します。

判断基準は故人様との関係性

家族葬におけるお香典を出す範囲に、明確な決まりはありません。そのため、お香典を出すかどうか、また金額をいくらにするかは、故人様・ご遺族双方との関係性や、ご遺族の気持ちを考えて判断することをおすすめします。

お香典が必要ない場合とは

故人様と同居していたご家族はご遺族となるため、喪主様にお香典を渡す必要はありません。また家族葬では、ご遺族が香典返しの負担を避けたい、あるいは参列者への配慮としてお香典を辞退するケースが多くあります。ご遺族が明確に香典辞退の意向を示している場合は、無理に渡すことはマナー違反となるため注意が必要です。

9.【参列者】家族葬に参列してよいかの判断ポイント

こちらでは、家族葬に参列してよいか参列者が判断するポイントをご紹介します。

ご遺族から案内があれば参列して問題ない

家族葬は、基本的にご遺族からの案内があった方のみが参列します。訃報の連絡時に、葬儀の日時や場所が伝えられた場合は、参列の案内と考え、参列しても問題ありません。

訃報の連絡が無ければ参列は控える

家族葬は、ご遺族が故人様と静かにお別れをしたい、または、参列者の人数を限定したいとなどの意向があることが多いため、訃報の連絡が無い場合は参列を控えます。人づてに家族葬があることを知った場合であっても、同様に参列しないのがマナーです。

参列したいときはご遺族に確認

故人様の訃報を知って家族葬に参列したい場合は、ご遺族に連絡を取って参列してもよいかの確認をしましょう。あくまでも、ご遺族の意向にしたがうことが大切です。

10.家族葬の参列者、連絡する範囲はどこまでかに関するQ&A

家族葬の参列者、連絡する範囲はどこまでかに関するQ&A


A.故人様が会社にお勤めされていた場合には、勤務先へ連絡しなければなりません。企業側には、社員の死亡に伴う事務処理が求められるためです。

またご遺族は、自分の職場に知らせる必要があります。多くの企業では忌引休暇の取得などの制度が設けられているため、上司や人事担当者にご家族が志望したことと、家族葬を執り行う旨を伝えましょう。会社関係者の参列や供花をお断りする場合は、辞退することを伝えることも大切です。


A.故人様の配偶者のご親族をどこまで招くかは、ご遺族の意向や故人様の希望などにより柔軟に決めることができます。

家族葬に、ご親族をどこまで呼ばなければならないといったルールはありません。参列者の範囲を決める際には、故人様との関係性やご遺族の意向、また、葬儀会場の規模などを考慮して決めればよいでしょう。

人数制限のため参列を控えていただく場合は、故人様が生前お世話になったことについての感謝の気持ちを伝え、葬儀を小さく行う旨を丁寧に説明します。このような配慮により、相手を不快にさせてしまうようなことは避けられるはずです。


A.電話での連絡では、以下の項目を伝えます。

  • ・故人様が永眠したこと
  • ・家族葬を行うため、参列を辞退していただきたいこと
  • ・他の方々へ情報を広めないことのお願い

家族葬のため、参列を辞退していただきたい旨を電話で伝える際の文例は、以下のとおりです。

〇〇〇〇の息子の△△と申します。〇月〇日に母〇〇が永眠いたしました。
通夜および葬儀は、故人の生前の希望により、家族のみで執り行う予定です。
そのため、誠に恐縮ではございますが、
ご参列ならびにご厚意は、ご遠慮させていただきたいと存じます。
なお、他の皆様には葬儀後にお知らせいたしますので、
なにとぞ、ご内聞にお願い申し上げます。
ご不便をおかけしますが、どうぞご容赦ください。

お香典や供花を辞退する場合は、その旨も伝えましょう。

11.家族葬にどこまでの人を呼ぶかは故人様を想って決めましょう

家族葬はご家族のみで行う葬儀だと思われがちですが、実際には参列者を自由に決めることができます。家族葬にどこまでの方を呼ぶかは、故人様を想って決めることが基本となります。

ただし、「家族葬だから」といって、全てを家族内で完結させるのではなく、周囲の方々への配慮も大切です。後悔のない家族葬にするためにも、ご家族でしっかり話し合い、信頼できる葬儀社を選んで相談しながらすすめることをおすすめします。

花葬儀は、家族葬をお手伝いした実績が豊富です。家族葬について疑問や不安のある方は、ぜひ、花葬儀の事前相談までご連絡ください。経験豊かなスタッフが、24時間365日の体制でご相談をお待ちしています。

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