花葬儀を選んだ理由
偶然、サイトで見つけたのですが、今は、ご縁があったのだと感じています。
転院する予定だった父の容態が急変してしまい、亡くなってから、主人と一緒にスマホで葬儀社の検索を始めました。もう、「どうしよう、どうしよう」と慌てていましたね。そんな中、主人が「ここは、どう?」と偶然見つけたのが、花葬儀さんだったのです。
電話をしたところ、すぐにプランナーの方が来てくださり、「どのような形のご葬儀を検討されていますか?」とこちらの意向や状況、宗教・宗派のことまで丁寧に聞いてくださいました。
また、私たち夫婦は、納骨のことは大分先の話だと思っていたのですが、「どこに納骨をするのか」はお坊さんを呼ぶ、呼ばないに関わってくるので、とても大事なことだということも教えていただきました。葬儀社の方をお呼びしたら、式の段取りの打ち合わせだけをするものだと思っていたのですが、想像とは全く違っていましたね。最終的には、喪主である母の了解も得て、お坊さんは呼ばずに、無宗教での葬儀に決めました。おそらく、花葬儀さんでなければ、そんなことができるとも知らず、ごく普通の葬儀になっていたと思います。
偶然見つけた葬儀社さんでしたから、話を聞いて納得がいかなければ、お断りしていたかもしれません。けれども、短い時間で私たちの想いを汲み取り真の希望を引き出してくださったので、他社を検討するまでもありませんでした。本当によい出会いだったなと感じます。
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花葬儀を体験して良かったこと
父の話を丁寧に聞いていただき、父との大事な時間を大切にしてもらえたようで救われました。
フラワーデザイナーの方がいらして、父がどんな人だったのかなどについて、じっくり時間をかけて丁寧に聞いてくださったのには感動しました。これまで父と一緒に過ごしたかけがえのない時間を、大切にしてもらえたようで――。デザイナーさんには、父が人を大切にする思いやりにあふれた人であることを伝え、だからこそ、葬儀も家族みんなで父を囲み、思い出話をしたり、楽しく過ごしたりして、明るく送り出したいという想いを話すと、目の前ですばらしい花祭壇のデッサン画を描いてくださったのです。
父が亡くなって深い悲しみの中にいましたが、こんなに素敵な明るい祭壇で父を見送ってあげられるのかと思ったら、少しウキウキするような気持ちも生まれてきました。実際の花祭壇は、思い描いていた以上に素晴らしくて…。コンセプトがはっきりしていて、会場に花だけでなく木も飾ってあり、本当にすごいなと思いました。あまりに素敵すぎて、参列者の方がいらっしゃると、父の話をする前に会場の案内をしてしまったほどです(笑)。親戚もみんなすごく感動してくれました。
葬儀の既成概念が覆された点でいえば、遺影もそのひとつです。遺影といえば、着物を着ていて、モノクロで、どこかよそ行きの顔の写真だと思っていたのですが、「いつ撮ったものでもいいですし、服も普段着でかまいませんよ」とアドバイスしていただき、父らしい写真を選ぶことができました。
父は晩年、施設に入所していたのですが、コロナ禍でなかなか面会ができず、ようやく会えたのが密室ではないコスモス畑でした。そのときに撮影した写真を遺影にどうかと考えましたが、あいにくマスクをしていて――。迷っているとプランナーさんが、「お気に入りのお父様のお写真に、このコスモス畑の背景を合わせて遺影をつくりましょう」と言ってくださったのです。そうして、最高の遺影ができ上がりました。
お父様はどんな方でしたか?
「人の気持ちになって考えてみなさい」それが父の口癖でした。

とにかく、「人のため」をいちばん大切にする人でした。小さいときから「人の気持ちになって考えてみなさい」「人への思いやりを忘れないように」と言われ続けてきたように記憶しています。あとは、勉強の成績よりも、挨拶の仕方で注意をされましたね。
振り返れば、そんなふうに育ててくれたことに感謝しかありません。「人生において、何が大切か」を父の生き方から学ぶことができ、そのおかげで、父ほどではないかもしれませんが、豊かな心持ちで日々を過ごせているのだと思います。
お酒好きな仲間との旅行を計画し、飲めない父は運転手を務めていました。

父は旅行が大好きで、家族はもちろん、たくさんいる仲間と、よく自分の車を出して旅行に出かけていました。高齢になってもエルグランドに6~7人載せていましたね(笑)。仲間のお友達はお酒が大好きな人がほとんどでしたが、お酒を飲めない父はいつも運転手を務めて、「旅行でみんなにたくさんお酒を飲んでもらいたい」と言っていました。
その他にも仲間たちの希望を聞いて、宿の手配をしたり見どころを調べたりして旅行の計画を立て、行程表を作り、一人ひとりの家まで迎えに行って送り届けるまで、父は何から何まで担っていました。父は人に尽くすことを苦としなかった人だったので、いつも人の輪の中心にいたように思います。
自分のためでなく、他の人に喜んでもらいたくてコーヒーを淹れていました。
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コーヒーを淹れるのが趣味のひとつでした。自分のためではなく、家族や友人に味わってほしいと考えて始めたようで、コーヒーショップを開きたいと言っていた時期もあったほどです。とにかく人が集まるのが好きな人で、誰かが家に来るたびに、母が手作りのマドレーヌを焼いて、父がコーヒーを淹れていました。
自分の兄弟、姪っこや甥っ子などが家に遊びに来たときなどには、食事のあとに、気づくと父がコーヒーを淹れてくれているんです。そして、いつの間にか、同居していた孫たちも「おじいちゃんのコーヒーが飲みたい」と言い出すようになっていました。
父がいろいろなコーヒーカップを集めるようになってからは、好きなカップを選んで父にコーヒーを淹れてもらうのが、家族の楽しみになりました。今は、私がコーヒーを淹れて、父の仏壇にお供えしています。
こんなご葬儀でした


お式への要望
人が集まることが好きな父だったので、明るく見送りたい。
〇無宗教で、パーティーのような明るい葬儀にしたい。
〇人を大切にしてきた父の人柄が表れるような、あたたかな雰囲気の式にしてほしい。
〇お花に菊は使用せず、洋花も入れた華やかな祭壇を。
実際のご葬儀
〇映画がお好きだとお聞きしたので、よくご覧になっていた『ローマの休日』のポスターを飾りました。
〇ご家族や知人にコーヒーを淹れることを楽しんでいらっしゃったため、「末期の水」ならぬ「末期のコーヒー」をさせていただきました。
〇メモリアルコーナーでは、コーヒーをお淹れしました。
葬儀を終えての感想はいかがですか?
家族葬だったので、参列していただけなかった方々に、葬儀のときのアルバムを見せてまわっています。
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思い起こすと、いろいろなサプライズがあったことにも感激しました。亡くなった方の唇を水で湿らせる「末期の水」と呼ばれる儀式があるのは知っていましたが、それをコーヒーで行ってくださいました。父がいつもコーヒーを淹れていた話をしたところ、プランナーさんが、「これでもできるんですよ」と葬儀の当日にコーヒーを用意してくださり…。こんな心遣いがあるものなのかと、心の底から驚きました。
映画のポスターもそうです。映画好きな父のために、『ローマの休日』のポスターがメモリアルコーナーに飾られているのを見たときは、言葉がありませんでした。小規模な家族葬でしたが、想像以上の葬儀をしていただいたと思っています。
一番よかったことは、明るく、華やかに、そして元気に送り出せたことです。父は人が集まって賑やかにしていることが好きでしたから…。87歳だったのですが、人生を本当に全うして立派だったなと思うと、言葉は適切ではないかもしれないですが「お祝いしてあげたい」というような気持ちもありましたね。花葬儀さんは、そんな私たち遺族に寄り添ってくださって、本当にありがたかったです。
葬儀後も、参列していただけなかった方々に葬儀の写真を見せては「こんなに素敵な葬儀だったのよ」と家族みんなで自慢しています。友人や知人に、実物を見てもらいたかったですね。今日も、母が葬儀のときのアルバムを持って、近しい方々のところに行っています。本当にすばらしい家族の財産になりました。
そして、葬儀はもちろん、お寺やお墓など葬儀後のことに関してもアドバイスいただいたおかけで、自分たちらしい答えを出すことができました。それら全て、花葬儀さんとのご縁があったからこそ、とありがたい気持ちでいっぱいです。
エピソードとお写真、映像は、ご家族様のご許可をいただいて掲載しております。