花葬儀を選んだ理由
お花にこだわる花葬儀さんのサイトにセンスを感じて決めました。
みんなに「おばちゃま」と呼ばれていた母。センスがよくおしゃれで、色へも独自のこだわりをもっていました。
好きなものに囲まれ、好きなように暮らしてきた母でしたが、最晩年は家での生活が難しくなり、施設に入居。本人が望まない生活を強いることになってしまいました。
母と仲がよかった息子(母にとっては孫)から「センスの悪いお葬式なんかしたら、おばちゃまから『これが私のお葬式なの?』と怒られるよ」と言われ、「その通りだ。最後くらいは『おばちゃま』らしく、満足してもらえる形でお見送りをしよう」と決意。母も好きだったお花に特化した葬儀をしてくださるところをインターネットで探しました。
「お花といえばここ」といわれるくらい有名なお花屋さんの葬儀プランも見たのですが、お決まりのパターンがいくつかあるだけで、あまり心に響きません。センスのよさも感じられなかったので、もっとほかにないかと探したところ、花葬儀さんのサイトにたどりつきました。
掲載されていた花祭壇の事例は、どれもセンスがよく、かつ、ホスピタリティを感じるものばかり。「ここなら、きっと『おばちゃま』にも喜んでもらえる」とお願いすることに決めました。
花葬儀を体験して良かったこと
元気だった頃の母が帰ってきたようなプロラストメイクと花祭壇に大感激。
最期は足腰も弱り、痩せ衰えてしまった母。コロナ禍では限られた家族にしか病院での面会が許されず、やっと自宅に帰って来られた時には闘病生活で険しい表情になってしまっていました。そんな母を見るのがつらく、また、長い間面会も叶わなかった孫やひ孫たちにこの表情を見せるのもしのびない、というお話をしたところ、花葬儀さんからプロラストメイクをご提案していただきました。
どのようなものかまったくわからずにお願いしたのですが、自然なメイクで「母らしい」表情に蘇らせてくださり、家族みな救われた気がしました。
打ち合わせの時に、フラワーデザイナーの中村さんが描き上げてくださったデザイン画にも感激しました。「華やかなのは好きだけれど、華美なのは好きじゃない」という母の好みや家族の希望を聞きながらその場で描き上げてくださったデザイン画はあまりにも素敵で、思わず「その原画いただけませんか?」とリクエストしてしまったほどでした。
当日はそのデザイン画以上に素敵な空間を演出していただき、難しい母の好みに100点満点以上に答えていただいたと感謝しています。
お母様はどんな方でしたか?
「おばあちゃん」ではなく「おばちゃま」。粋でモダンな女性でした。

初孫が生まれた時、「孫娘からおばあちゃんと呼ばれたくない」という理由で自分を「おばちゃま」と呼ばせていた母。それがニックネームのように定着して、みんなから「おばちゃま」と呼ばれるようになりました。
古い慣習や「常識」にこだわらず、モダンで先進的な考え方のできる女性だったので、若い孫たちともすごく仲良しでした。
父の現役引退数年前に都心の自宅からふたりで熱海の温泉食事付き海沿いマンションに引っ越し、60歳を前に主婦業を引退した母。晩年は熱海を拠点に、東京や横浜へ買い物や遊びに来る生活を楽しんでいました。
ドレメに通っていた母。おしゃれで器用な女性でした。

結婚前、ドレスメーカー・スクールに通っていた母。自分のワンピースや子どもの服などを自分でつくってしまうこともありましたが、服のセンスや色使いにはこだわりがあったようです。自分の体型にぴったりフィットしたオーダーメイドの洋服も好んで着ていました。
「好きなものは好き、嫌いなものは嫌い」という自己主張がはっきりしていた母は、ブランドや流行に左右されず、自分の好きを貫き通すところがありました。
一見、勝手気ままでわがままにも思えますが、ユーモアセンスがあってお茶目でかわいらしい母はみんなから愛されていました。
子どもの人格を尊重し、行動や好みを強制しない母でした。

母は元来左利きでしたが、子どもの頃に右利きに矯正され、それがすごく嫌だったようです。私も左利きでしたが、筆記用具やお箸を右手で持つよう強制されたことは一度もありませんでした。子どもとはいえ、「人格をもったひとりの人間」として、意思を尊重してくれていたのだと思います。子どもの頃の偏食も、自然と食べられるようになるのを見守ってくれてありがたかったです。
強制されていたら苦手意識や劣等感を抱いていたかもしれませんが、母が自由にさせてくれたおかげで、器用に両手を使えるようにもなり、感謝しています。
こんなご葬儀でした


お式への要望
最期まで「母らしさ」が感じられるお見送りにしてほしい。
〇たくさんのお花で、でも華美にならないように飾ってほしい。
〇元気だった頃の母がイメージできるようにしてほしい。
〇母らしさが感じられるよう、センスよくお願いしたい。
実際のご葬儀
〇ある程度色をまとめた花祭壇で、上品で華やかな空間を演出しました。
〇お母様のお人柄やお好みをお聞きして、きっとお好きだと想像した白い芍薬をポイントでお入れしました。
〇闘病生活で面変わりされてしまった表情を、プロラストメイクで自然な表情にさせていただきました。
〇コロナ禍で仲良しだったお孫様たちとも十分にお会いできなかったとお聞きし、ご家族のお写真をメモリアルコーナーに飾りました。
葬儀を終えての感想はいかがですか?
元気だった頃の母が思い浮かび、明るくお見送りができました。家族の希望と母の願いをすべて叶えていただきました。

コロナ禍で最期は大好きな孫たちにもなかなか会うことができなかった母。闘病で痩せて面変わりしてしまった母の顔を仲良しだった孫たちに見せるには忍びないと思っていましたが、ご提案いただいたプロラストメイクで、元気だった頃の母が思い出せるナチュラルな表情に仕上げていただき、感動しました。
会場で使用する花材や色味などは相談させていただきましたが、相談ではお伝えしなかった白い芍薬(母が大好きなお花です)が当日飾られているのを見た時は、大変感激して涙が溢れそうでした。
とにかく好き嫌いがはっきりしていた母だったので、センスの感じられないお葬式などするわけにはいかない、と細かいリクエストもたくさんお願いしてしまいましたが、そのどれもにパーフェクトにおこたえいただき、本当に100点満点以上のお見送りができました。
葬儀に参列した家族も「おばちゃまらしくて素敵!」「こんなに素敵なお花のお葬式ははじめて」と感動。義兄は「私の時も花葬儀さんにお願いしたい」と言っていました。棺の中の母も「素敵よ、いいわね!」と褒めてくれたように感じています。
最後まで母らしく生涯を終えてほしいという家族の願いを叶えていただき、本当にありがとうございました。心より感謝を申し上げます。
エピソードとお写真、映像は、ご家族様のご許可をいただいて掲載しております。